我こそは社畜だという人にこそ見て欲しい。PIXAR「インナーワーキング」が教えてくれるおしっこ理論
「モアナと伝説の海」と同時公開の短編アニメ
ピクサー「インナーワーキング」が素晴らしい出来でした。
(モアナの考察は前のページに書きました
http://ladytricolore.hatenablog.com/entry/2017/03/10/200842)
もしかして日本人向けに作られたのか?と思うほどの
タイムリーなテーマとメッセージ。
ピクサーはこういう社会問題に踏み込んだ作品を作ると天下一ですね。
この話はごく一般的なサラリーマンが主人公です。
舞台はハワイ。
毎日会社に通いますが、そのルーティンの動作の中で彼は自身を縛り付けています。
ラジオから流れてくる音楽に合わせて踊りたい!
→ 滑って転んで死ぬからやめておこう
朝ごはんにパンケーキ食べたい!
→ 脂肪肝とか高血圧になるからやめておこう
海に行きたい!
→ 溺れて死ぬからやめておこう
この繰り返し。でも効果的なメロディも相まってテンポがものすごく心地よい作品。
そんな中で彼の心がいつしか悲鳴をあげます。
毎日繰り返しの仕事、遊びにも目をくれずこのまま老いて死んでいくだけ…
ここで脳が心に命綱を渡します。
自分の考え一つで心が助かるわけですね。
その日の昼休みから彼は自分に課していた鎖を全て取っ払います。
食べたかったパンケーキも食べて、海にも繰り出して、
気になっていた女の子にも声をかけられました。
彼の運命が変わるのです。
面白かったのはなんと作品中2回も
「排泄シーン」が出てくること。
天下のディズニーもとうとう下ネタで笑いを取るようになったのか?
私が考えたのは
「お手洗いに行くようにカジュアルに
自分の心に耳を傾けよう」
というメッセージだとおもったのです。
お手洗いを我慢しても、やがて膀胱が悲鳴をあげます。
私たちは出先だろうが家だろうが、お手洗いを探して必ず用を足します。
でも心の中にストレスがいっぱいになって
悲鳴をあげたとしても人間は我慢し続けます。
これって、ちょっと不思議ですよね。
お手洗いを我慢していたら膀胱炎になります。
それと同じで、ストレスを我慢していれば精神疾患になります。
私たちは子供にも「お手洗いギリギリになるまで我慢しちゃダメだよ」と教えます。
でもその私たちが心がギリギリになってもそのまま
「太るからパンケーキはダメ」「お金かかるから○○は我慢」と自分に強いています。
「お手洗いに行くような感覚」ってものすごく分かりやすく、自然な表現だと思います。
これは老若男女、国籍問わず
我慢しちゃいけないものだって、誰もが理解しているものだから。
テーマソングもすっごく良かったし、
エンディングの彼の未来と砂のお城で終わるところ、最高でした…!
日本人で社畜なあなたにぜひ見てもらいたい、そんな作品です。