私が12番でなく0番のJリーグユニフォームを購入した理由

海外・国内問わず、サッカーファンの毎年の悩みの1つに

「今年は誰のユニフォームを買おうか」という議題が必ず挙がる。

 

シーズンに入ってしまえばその悩みのハードルは下がり、

良いプレーをしたと思う選手のユニを毎試合買う猛者も出てくるのだが、

シーズン前のユニフォーム発表の時期は

なぜか「今年一年のチーム運を決める」いわば願掛けに近い大事な儀式のようで、

誰か1人に絞ってユニフォームを買う、それだけのことに膨大なエネルギーを使う。

 

御多分にもれず、私も同じように悩んだ。

期待の若手選手の番号も買いたいし、

大好きな齋藤学選手が今年から10番(サッカーではエースナンバー)というのも嬉しい。

そうして悩んだ挙句に買った今年のユニフォームがこの番号だ。

 

横浜F・マリノス 0番

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マリノス君!!!!!

 

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マリノス君!!!!!!!!!!!

 

マスコット好きだからマリノス君の背番号を選んだ、それも理由の1つだ。

しかし、私の本命はもう1人のマスコットのマリノスケである。

もちろん、ユニフォーム購入候補にマリノスケ(パーソナルネーム)も入っていたが、

今年はマリノス君しかいないと思ったのだ。

そしてその選択は思わぬところで効果を発揮した。

 

胸スポンサーでどこのユニなのか、答えられますか

ユニフォームの胸にNISSANと書いてあれば横浜F・マリノス

ハッピーターンと書いてあればアルビレックス新潟

Jリーグサポーターの中では常識に近い話かもしれない。

 

しかし、街を歩く人たちにこれを答えられる人は少ない。

「あのユニ、青っぽいからマリノス…?」と聞いてくれた友達の視線の先にいたのは

FC東京サポーターだったこともあった。

マリノスは青・白・赤、FC東京は青と赤、

その違いもユニフォームになると判別しづらいものだ。

 

私たちだって、Jリーグのユニフォームはスポンサーと色で判別できても

MLSのユニフォームだと「どこのチームだろう…」と思ってしまう、そう、その感覚。

自分はサッカーを好きになる前まで、青いユニフォームは全部日本代表だと思っていた。

 

しかし、マリノス君ユニだと通常のユニフォームに詰め込まれた情報量に加えて

さらに背中にチーム名が書いてある…!

マリノス!!!!!!!

 

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どこからどう見てもJリーグチームの横浜F・マリノス!!!!!!!

エンブレムよりも訴求力は格段に強い。カタカナ!

 

あ、ユニフォームの人が歩いてる、

今日試合をしているんだ、この街のどこかで試合をやっているんだ、

その気づきも「どこのチームかよく分からないけれど」で打ち消されていたのが

「『マリノス』が今日ここの近所で試合をしているらしい」に変わる、

これは面白い発見だった。

 

ユニフォームを着て歩くだけで「興味の種をまく」ことが出来ると言われているが

その種をより強固に確実なものに出来るのがマリノス君ユニだったという訳だ。

 

グローバル目線から日本語ネームマーキングとマスコットユニを見てみよう

ユニフォームのネーム表記といえば

TANAKAとかSUZUKIのようなアルファベット表記が一般的だ。

しかしマリノス君のマーキングは立派な日本語表記である。

現地語のマーキングは世界的に見ても珍しいから「かっこいいな!」と思えた。

 

そもそも、海外のサッカーチームにマスコットユニフォームは存在するのだろうか。

日本では各チームにマスコットユニが多く存在するが、

もしかしたら世界的に見ると非常に珍しいのではないか。

Jリーグの宝と呼べる存在がこんなところにあったとは…。

どうも他チームのマスコットユニを見るとアルファベット表記が多いようだ。

(ヴェルディ君ユニがカタカナなのは確認済)

カタカナユニがもっと増えても面白いかもしれない。

 

Jリーグチームのマスコットは海外チームのマスコットに比べ、

人々が感じる「親しみ」や「愛らしさ」のポイントを突くのが上手だ。

これはサンリオやサンエックスに代表されるような日本のキャラクタービジネスが

成り立っているからこそのストロングポイントだろう。

マスコットもJリーグの立派な強み・武器だと言っていいはずだ。

 

海外旅行で現地のチームのユニフォームを買おうか、と思っても

選手名で悩んでしまい、結局買わないことがあった。

こういう宙ぶらりんな観光客としては海外でもマスコットユニがあれば

それを買ったのにな、と思う。

特定の選手の応援でなく、チーム全体が好きという意思表示に

マスコットユニはその手腕を発揮してくれるような気がするのだ。

 

マリノス君ユニを買った理由

こうして、買ってみて良かった!と思えた貴重なマリノス君ユニであるが、

どうして彼のユニを買うに至ったのかは少しデリケートな問題なので明言は避けたい。

しかし、マスコットブログでおなじみのだじゅうるさんが素晴らしい記事を書かれている。

blog.livedoor.jpこの記事にほとんどが詰まっていると言ってもよい。

マリノス君は400試合ずっとマリノス君で居続けた。

その像をブレさせず、マリノスというチームの誇りの象徴であり続けている。

試合前、相手チームに頭を下げに行く姿勢。

それは相手に媚びるわけでもなく、かといって過度に遜るわけでもなく、

ただ相手にリスペクトを持つ姿なのだ。

「象徴」とはいささか抽象的な言葉であるが、

サポーターとクラブのあるべき姿を背中で見せてくれているように見える。

この「挨拶」は差別問題の動きからはじまったものではないことも書いておこう。

 

完璧だが、お茶目で優しくて、握手の力の強さからも分かる通り情熱にあふれている。

マスコットのセレモニーで泣くなんて、思い入れが強いと思われるかもしれないが

彼がマリノスの歴史を見守り、いつしか彼自身がマリノスの歴史になっていたのだ。

 まさにレジェンド、マリノスケはさらっと口に出したように思えたが

こう考えてみると一番近くでマリノス君を見つめていたマリノスケだからこそ

真理にせまっていたのかもしれない。

 

blog.livedoor.jp

マリノス君のユニフォームを買ってよかった!

これからも、マリノスとともに輝き続けてほしい。