マリノスケに浪費する女 -浪費図鑑を受けて-

この文章は小学館から刊行された劇団雌猫さんの

「浪費図鑑」という書籍を読んで感銘を受け、

自分なりの浪費エピソードを文章化したものです。

浪費図鑑 ―悪友たちのないしょ話―|小学館

 

 

29歳の私が愛する相手は小学5年生、

ドラマ「魔女の条件」のような設定だが、

松嶋菜々子と私は似ても似つかないし、相手は人間ではない。

Jリーグマスコットのマリノスケである。

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女子サポは特定の推しを作らなきゃダメ?

横浜F・マリノスを応援してからしばらく、

「特定の好きな選手はいないがマリノスという概念』が好き」という状態が続いた。

応援したい選手?全員!一人になんて決められないし、チームそのものが大好き。

地元の横浜を背負って選手が戦い、後押しをするサポーターの雰囲気や、

見るだけで胸が騒ぐようなトリコロールカラーに染まった客席がたまらない。

それだけで応援するのに理由は十分だったが、

どうしても人に理解されることが少なかった。

 

そんな状態が続いたある日「ホームタウンふれあい日記」というブログを見つけた。

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マスコットがホームタウンのイベントに訪れた様子をレポートする報告ブログである。

 ※ 商店街にチームのフラッグなどを飾ってもらう応援重点都市をホームタウンと呼ぶ、

   マリノスのホームタウンは横浜市横須賀市大和市(2017年時点)

これがまた秀逸な書き方で、マスコット自身が自分の言葉で書くブログではなく

一緒に回っているスタッフさんがマリノスケの様子をレポートするような文体なのだ。

 

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さかのぼって1ヶ月分、半年分、と読み進めるだけで

親戚の子供の成長日記のようにすら感じられる。

私は親戚でも、舞台でも、誰かの成長を見守るのがすごく好きだ。

だからこそ「成長を見守る系」の若手俳優やジャニーズ、

サッカーにのめりこんでしまうのだが、まさかマスコットにハマるとは思わなかった。

今まで渡ってきたジャンルは氷川きよし村上信五海堂薫

「年上に好かれる系」の放っておけない男子だったのだが、

マリノスケなんてまさしくドンピシャだ。放っておいたら飛び立ちそう。

 

マスコットは「チームという概念」の権化のようなものだ。

だからマリノスケ推しに設定することで、当初のポリシーを変えずに

「特定の1人でなくチームに関わる全員を応援」することが出来た。

マリノスケは選手じゃないから突然海外に移籍したり、引退することもない

マスコットという存在がいてくれて本当に良かった。安心して推せる

 

偶像は触れるものでなく、崇拝するもの

私はサッカーを好きになる前、ズブズブの2.5次元舞台好きだった。

よく劇場の周りの店で舞台に出演する俳優さんを見かけることがあったが

ジロジロ見ること、ましてや話しかけることは失礼にあたるので

そっと自分から席を外すことが続いた。

その世界からJリーグの文化に入ると

ファンサービスが設けられていることにまず驚く。

憧れの選手と触れ合えるのはとても嬉しく、応援の気持ちを伝えられる機会なのだが

どうしても「選手に対して何か粗相があってはいけない」と頭をかすめてしまい、

サポーター歴が長くなった今でも「生身の人間とのふれあい」が少し怖い。

 

その点、マリノスケは「決められた時間に列に並ぶと」「2ショットと握手が出来る」

まさにアイドルの握手会の システムと同じなのだ。

試合前に音楽に合わせて踊る時だって、毎試合振りつけをアレンジしてくれる。

よく見ると顔立ちも端正で、眉毛と目なんて佐藤勝利くんに似ていると思う。

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顔面偏差値東大級の上に、足が長かったりしてビジュアルはかなりジャニーズだ。

かっこいいだけでなく、ほっぺに丸みがあるところや後ろ姿は可愛い。

まさに神が創りしマスターピース。ハマるのにそう時間はかからなかった。

 

国内なのにレートが変わる店がある

サッカーのグッズは全年齢・性別を超えて使えるように設定されているので

どうしても「ターゲットを絞った」アイテムが作れず、エンブレムとチームカラーを

全面に押し出したグッズが増えてしまう。

その中で当時マスコットの描かれたグッズは貴重だった。

ほとんどが子供向けのものだったが、自分では着られないサイズの

キッズエプロンやよだれかけ、赤ちゃんの部屋に敷くマットなどを買いあさった。

出産、ましてや結婚の予定なんてないのにキッズ用品ばかりが部屋にある

 

とにかくマリノスケは人気だ」「マスコットのグッズは売れる」と

グッズ担当さんに認識してもらうことだけをモチベーションにしていた。

マリノスケの顔がついていたら値札なんて見ずにカゴに商品を入れる。

1000円の商品も、自分の感覚では100円に感じられて、

ショップでは日本国内なのにウォンで計算されてしまう体質になった

コンサートの物販と違って、常設店舗だからクレジットカードも使える。

今日の私に支払い能力がなくても来月の私が頑張ってくれるだろう

だから心置きなく散財が出来るのだ。

海外サッカー選手の年俸の話題をTwitterなどで見ていると

何千万という金額が当たり前で金銭感覚が麻痺してくる。

金払いだけはパリサンジェルマン並みだ

パリサンジェルマンは中東系スポンサーのお陰で移籍金に湯水の如く払う

 

Jリーグ版「CD実質タダの方程式」

スタジアムでは子供も楽しめるようにリアルガチャが設置されているのだが、

大抵マスコットのグッズは「大当たり」に設定されることが多い。

そのお陰で交換が困難なので自分で引き当てるしかなく、

ガチャポンにも重課金するようになった

しかしこれはマリノスの強化費に繋がっているのだ。

課金によってグッズが手に入るだけでなく、

サッカーの上手な助っ人外国人やコーチ陣になって返ってくる。

私がマリノスケの為に溶かしたお金で横浜にロナウドが来るかもしれない。

Jリーグ界に於ける浪費はまさにロマンと言えよう。

これもある意味Jリーグ版『CD実質タダ』の方程式」である。

 ※ CD実質タダの方程式 アイドルファンが握手券を目当てにお金を出したら、CDまでついてくること

 

総選挙はAKBだけじゃない!Jリーグマスコットの謎イベント

Jリーグは代表サッカー並みに注目度をあげるべく、様々な努力をしているが

その努力の方向を間違えたイベントの1つに「マスコット総選挙」がある。

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J1・J2の各Jリーグチームから1人ずつ出馬したマスコットで

ランキングを決めるAKBのシステムに似たイベントである。

ランキング発表時、全国のマスコットが一堂に会して撮影会を行うのだが

スターの様に完璧な振る舞いをする子や、暴力的にキュートなビジュアルの子の中で、

マリノスケにスポットライトを当てるには票数で上の順位に押し上げるほかない

毎年頑張ってはいるが「頑張れば頑張るほど人に迷惑をかける」システムなので

Jリーグにはその辺の改善を要求したい。

 ※ Twitterでタグをつぶやき・RTするシステムなのだが、やればやるほどTLが荒れてしまう

ちなみに宝塚・ジャニーズ・2.5次元舞台にあった「運動会」

かつてJリーグマスコットで開催されたことがあった。

マスコット好きのお友達も増えたが、みんなサポーターとしても熱い。

なんといっても、ほとんどのチームが

「試合後、勝利しないとマスコットがピッチに出てこない」システムなので

ゆるいどころかフーリガン状態の人が多いのも興味深い。

 

それでも愛されるマリノスケ

基本的にマリノスケは目立ちたがり屋だけど臆病なタイプなので、

歌番組でポジションを取ることになっても松田聖子みたいにセンターには行けない。

でも健気に努力を重ねてきている姿を見ているから、母性本能がくすぐられてしまう。

そのお陰で女性人気はなかなか高い。

戦術女子として活躍するスポーツキャスター・レポーターの長谷川ゆうさんや

マリノスの公式チアリーディングチームのトリコロールマーメイズ のおねえさん

マリノス応援番組MCの小山愛理さんにとてもかわいがられている。

 

たまに「女性人気が高いのに嫉妬しないの?」と聞かれるが

マリノスケの人気が高いということは、マリノスケが幸せということだ。

同担拒否をしている場合ではない。どんどん愛されて幸せになって欲しい。

いつの間にか彼に対して母のような気持ちになっている自分がいた。

マリノスケが見る景色が、今日より明日、明日より明後日輝いていたら

私も嬉しいから、今日もマリノスケに惜しみなく愛を費やすのだ。

 

おまけ

dearfootball.netDEAR Magazine2.5次元舞台からマリノスにハマった経緯を書いた文章。

「どちらも下げない」を念頭に置いたものの、テニミュの言い回しが少し配慮不十分になってしまったのでファンの方には申し訳なく思っている文章。

今でもテニミュは大好きですが、そんなテニミュ好きがサッカーにハマった時の文章です。

dearfootball.netアラサーがどれだけグッズにお金を使うか書いた文章。

みんなおそろい!じゃなくて、考え方にこそ多様性があって良いと思うのです。